レクサスのSUV購入を検討する際、RXとNXで迷う方も多いのではないでしょうか。
新車の価格差は約100万円ほどとなり、サイズも明確に異なる両モデルですが、本当の違いは乗り心地や使い勝手にあります。
この記事では、実際のサイズ感、乗り心地の違いなどを徹底比較します。
レクサスRXとNXのどちらを選ぶか迷っている方は、最適な1台を選ぶための判断材料となるでしょう。

レクサスRXとNXの基本スペックを比較

レクサスRXは全長4,890mm・全幅1,920mmのミドルサイズSUV、NXは全長4,660mm・全幅1,865mmのコンパクトSUVです。
両車は同じレクサスのSUVでありながら、明確に異なる車格とコンセプトを持っています。
RXは1998年から続くロングセラーモデルで、プレミアムクロスオーバーSUVとして高級感と存在感を重視した設計です。
一方、NXは2014年に登場した比較的新しいモデルで、「Premium Urban Sports Gear」をコンセプトに都市型ライフスタイルに最適化されています。

主要なサイズ比較は以下の通りです。

項目	レクサスRX	レクサスNX	差
全長	4,890mm	4,660mm	230mm
全幅	1,920mm	1,865mm	55mm
全高	1,700mm	1,660mm	40mm
最小回転半径	5.9m	5.8m	0.1m
車両重量	1,870kg～	1,730kg～	約140kg

サイズ感をイメージしやすくするため、トヨタで人気のSUV、ハリアー（全長4,740mm・全幅1,855mm・全高1,660mm）と比較すると、NXはハリアーよりもやや小さく、RXはハリアーよりもひと回り大きいサイズ感になります。

価格帯についても明確な違いがあります。 NXはエントリーグレードのNX350hが550万円からスタートし、最上位グレードのNX450h+ F SPORTでも758万円です。
RXはエントリーグレードのRX350 version Lが668万円から、最上位のRX500h F SPORT Performanceは903万円という価格設定となっています。
約100万円以上の価格差は、単なるサイズの違いだけでなく、装備や質感の差も反映されたものといえるでしょう。

グレード展開については、NXはNX350、NX350h、NX450h+の3つのパワートレインから選択可能です。
RXはRX350、RX350h、RX450h+、RX500hの4つのラインナップがあります。
RXもNXもそれぞれにF SPORTやversion Lなどの装備グレードが設定されています。

レクサスRXとNXにおける使い勝手の差

レクサスRXとNXにおける使い勝手の差について以下の項目に沿って解説していきます。

• ・NXの取り回しの良さと日常使いの快適性
• ・RXの室内空間と長距離での快適性

それぞれの特性を理解することで、自分のライフスタイルに合った選択ができるでしょう。

NXの取り回しの良さと日常使いの快適性

NXは最小回転半径5.8mで、狭い駐車場や住宅街でのUターンもスムーズです。
コンパクトなボディサイズがもたらす最大のメリットは、都市部での機動力の高さです。 全長4,660mmというサイズは、一般的な立体駐車場にも余裕で収まり、狭い路地でのすれ違いも安心してできます。
ショッピングモールの駐車場で切り返しが必要な場面でも、NXなら少ない回数で駐車枠に入れられるでしょう。
さらに、住宅街の細い道を通る際も、対向車とのすれ違いに神経を使う必要が少なく、余裕を持った運転が可能です。
視認性の高いメーター類や操作性を重視したボタン配置など、運転のしやすさを高める工夫が随所に施されています。
平日の通勤で毎日運転する方や、週末の買い物がメインの使い方なら、NXの機動性は毎日実感できるメリットです。

RXの室内空間と長距離での快適性

RXは室内長1,915mmの広さで、後部座席やラゲッジスペースに余裕があります。
広々とした室内空間は、数字以上に体感できる違いです。 室内長はNXの1,805mmに対してRXは2,000mm以上あり、特に後部座席の足元空間には明確な差があります。
身長180cmの大人が後部座席に座っても、膝前に十分なゆとりがあり、長時間のドライブでも窮屈さを感じません。
ラゲッジスペースの容量も広く、使い勝手に優れています。
後部座席を倒せば、大型のアウトドア用品やスーツケース複数個を余裕で積載できるでしょう。
帰省や旅行で高速道路を長時間走る場合、広い室内空間は疲労軽減に直結します。

レクサスRXとNXの乗り心地の違いを徹底比較

RXは静粛性と快適性に優れた上質な乗り心地、NXはスポーティで軽快な走行感覚が特徴です。
乗り心地の違いは、両車の性格を最も明確に表す要素といえます。
サイズや価格の違いは数字で比較できますが、乗り心地は実際に体感してこそ理解できる部分でしょう。
それぞれが異なる方向性で高い完成度を実現しており、どちらが優れているかではなく、どちらが自分の好みに合うかという選択になります。

RXの上質な乗り心地と静粛性

RXはマルチリンクサスペンションと優れた遮音性能により、高級セダンに匹敵する静かで滑らかな乗り心地を実現しています。
静粛性の高さは、RXに乗って最初に感じる印象でしょう。
高速道路を走行していても、ロードノイズや風切り音がほとんど車内に入ってきません。 防音性能が優れており、車内は静かで落ち着いた空間が保たれています。
RXのマルチリンクサスペンションは、路面からの衝撃をしっかりと吸収し、車内に伝わる振動を最小限に抑えます。
また、段差を乗り越える際も、「ゴツン」という衝撃ではなく、「スッ」と滑らかに通過する感覚です。
version Lグレードに採用されるセミアニリン本革は、柔らかく体に馴染む座り心地を提供します。
週末に片道2時間以上のドライブをする機会が多い方にとって、RXの快適性は大きな価値があります。

NXの軽快でスポーティな走行感覚

NXは軽量ボディとやや硬めのサスペンション設定により、キビキビとした運転感覚を楽しめます。
スポーティなハンドリングは、NXの大きな魅力です。
ステアリングの応答性が良く、ドライバーの意思に素直に反応してくれる感覚があります。 軽量なボディ設計により、重さを感じさせない軽快な走りを実現しており、運転していて楽しいと感じられるでしょう。
やや硬めのサスペンション設定により、コーナリング時のロールが抑えられ、しっかりとした接地感があります。
NX350やNX350hは十分なパワーを持ちながら、軽量なボディゆえに活発な加速を見せてくれます。
RXと比較すると若干のロードノイズは感じますが、同クラスのSUVと比べれば静かな部類です。
F SPORTグレードは専用のサスペンション設定により、よりダイレクトな走行感覚を楽しめます。

レクサスRXとNXの価格差と装備の違いについて

レクサスRXとNXでは、約100万円の価格差がありますが、装備内容やサイズ、質感の違いを考慮すれば、それぞれのターゲットに対して妥当な価格設定といえます。
価格差を単純に高い・安いと判断するのではなく、何が違うのかを理解することが重要です。
RXとNXは単なる大小の違いではなく、ターゲットとするユーザー層や使用シーンが異なる別の車種として設計されています。
それぞれの価格に見合う価値があるかを、具体的な装備や質感の違いから検証していきましょう。

グレード別価格の比較

NXは550万円から、RXは668万円からで、両車とも多くのパワートレインがラインナップされています。
両車の価格体系を分かりやすく比較するため、主要グレードの価格を表にまとめました。

グレード	レクサスNX	レクサスRX	価格差
ハイブリッド	NX350h 550万円	RX350h version L 760万円	210万円
F SPORT	NX350h F SPORT 640万円	RX350 F SPORT 713万円	73万円
最上位モデル	NX450h+ F SPORT 758万円	RX500h F SPORT Performance 903万円	145万円

※2025年最新モデルの価格

それぞれの価格差には、ボディサイズの違いだけでなく、標準装備の充実度も反映されています。
RXは12.3インチフル液晶メーターやデジタルインナーミラー、後席独立温度調整オートエアコンなど、NXではオプション扱いの装備が標準で搭載されているのです。
ハイブリッドシステムの追加コストは両車で同程度ですが、やはり200万円以上の価格差が存在します。
燃費性能を重視する方にとって、ハイブリッドモデルは長期的なランニングコストの削減につながるでしょう。
また、主要装備の違いによる価格差の理由を理解すれば、納得できる部分も多いはずです。
RXには後席独立温度調整オートエアコン、パノラマビューモニター、ブレードスキャン式アダプティブハイビームシステムなど、NXにはない先進装備が標準搭載されています。 2025年モデルではRXのAWDモデルに後輪操舵システム「DRS」が追加され、取り回し性能が大幅に向上しました。

コストパフォーマンスの評価は、何を重視するかで変わってきます。
予算を抑えてレクサスブランドを体験したいならNXが優れていますし、装備の充実度や高級感を求めるならRXの価格差には十分な価値があります。
自分が何を優先するかを明確にすることが、後悔しない選択につながるでしょう。

標準装備と内装の質感の違い

RXは12.3インチフル液晶メーターやセミアニリン本革など、ワンランク上の装備と質感を標準装備しています。
RXのversion Lに採用されるセミアニリン本革は、メルセデスベンツやフェラーリも採用する最高級素材で、通常の本革よりも柔らかく体に馴染む感触が特徴です。
安全装備ではRXにアドバンストドライブ機能やドライバーモニター機能が搭載され、高速道路での運転負担を軽減してくれます。
内装の加飾やステッチの細かさ、本木目のオーナメントパネルなど、細部へのこだわりがRXのプレミアム感を生み出しています。
レクサスNXももちろん内装の質感や装備品は上級レベルですが、RXのほうがワンランク上となっているのです。

レクサスRXとNXの燃費性能とランニングコストの比較

ここからは、レクサスRXとNXの燃費性能などを以下の項目に沿って解説していきます。

• ・ハイブリッドとガソリン車の燃費比較
• ・維持費とリセールバリューの見通し

結論としては、NXの方が車重が軽く燃費性能に優れ、年間の燃料費ではRXより経済的です。
では、それぞれの細かな情報を見ていきましょう。

ハイブリッドとガソリン車の燃費比較

ハイブリッドモデルの燃費数値を詳しく見ると、NX350hのWLTCモード燃費は22.2km/Lです。 RX350hは20.3km/Lと、約2km/Lの差があります。
この差は車重の違いが主な要因で、NXの方が約210kg軽量なことが燃費性能に有利に働いています。
ガソリンモデルの燃費数値では、NX350が約11.7km/L、RX350が約11.2km/Lと、やはりNXが優位です。

リセールバリューの見通し

リセールバリューRXとNXともに高水準です。
両車ともリセールバリューは国産車の中でもトップクラスで、新車購入後3年後でも新車価格の70%前後を維持します。
特にF SPORTグレードやハイブリッドモデルは人気が高く、リセールバリューが安定しています。
5年後でも50~60%程度の価値を保つ傾向にあるため、乗り換え時の下取り価格も期待できるでしょう。
リセールバリューは時期などによっても異なるため、変動することを理解しておきましょう。

ライフスタイル別おすすめの選び方

結論として、街乗り中心ならNX、家族利用や長距離ドライブが多いならRXがおすすめです。
車選びで最も重要なのは、自分のライフスタイルに合っているかどうかです。
どちらも優れたSUVですが、使用目的や家族構成によって最適な選択は変わってきます。
それぞれの使用シーンに応じた選び方を詳しく見ていきましょう。

単身・カップルと通勤メインならNX

2人での使用がメインなら、NXの室内空間で十分な快適性が得られます。
単身やカップルでの使用なら、NXのコンパクトなサイズが大きなメリットでしょう。
デート時の駐車場探しも、コンパクトなNXなら選択肢が広がります。
中でもスポーティな走りを楽しみたいカップルには、NX F SPORTが最適です。
通勤メインの使い方なら、NXの燃費と取り回しが経済的です。
毎日の通勤で往復30km以上走る場合、燃費の差は年間コストに影響します。
朝の混雑した駐車場でも、NXならストレスなく駐車できるでしょう。
平日は一人で乗ることが多いなら、NXで十分な満足度が得られます。

ファミリーと週末レジャーならRX

子どもがいる家庭では、後部座席の広さが充実しているRXが最適です。
チャイルドシートを設置しても窮屈さを感じないRXは、家族での移動が快適です。
週末の買い物で荷物が多くなる場合も、RXの積載能力が活躍するでしょう。
さらに、週末レジャーが多い場合も、RXの積載能力が便利です。
キャンプやスキーなど、荷物の多いアウトドアには、RXの広いラゲッジスペースが活躍します。
4人家族でも荷物を十分に積めるため、旅行の選択肢が広がります。
長距離の高速道路走行が多いなら、RXの快適性が疲労軽減に繋がるでしょう。

優先する価値観で選ぶ

レクサスRXとNXは、高級感重視か実用性重視かで、選択が変わってきます。
高級感重視なら、RXの質感が満足度を高めます。
所有する喜びや優越感を求めるなら、RXのプレミアム感は期待に応えてくれるでしょう。 セミアニリン本革の座り心地や、細部まで丁寧な造り込みは、毎日の運転が特別なものとなるでしょう。

実用性重視なら、NXのバランスが優秀です。
価格、燃費、取り回し、装備のバランスを考えると、NXはコストパフォーマンスに優れています。
レクサスブランドの品質を手頃な価格で体験できる点も魅力です。

まとめ

レクサスRXとNXは、同じレクサスのSUVでありながら、明確に異なる個性を持っています。
RXとNXそれぞれの強みを再確認すると、選択の方向性が見えてきます。
RXはプレミアムSUVとして、広さ、快適性、高級感を追求したモデルです。
NXは都市型SUVとして、取り回し、燃費、実用性のバランスを重視した設計になっています。
サイズ面では、NXはコンパクトで取り回し良好、RXは広く快適という特徴があります。
狭い道や駐車場を頻繁に利用するならNX、室内空間の広さを求めるならRXが適しています。
乗り心地については、RXは上質で静か、NXは軽快でスポーティという違いがあります。
長距離ドライブでの快適性を重視するならRX、運転する楽しさを求めるならNXがおすすめです。
どちらもレクサスらしい上質な乗り味を持っていますが、方向性が異なります。
価格面の100万円の差は、装備と質感の違いを反映したものです。
RXの標準装備の充実度や、内装の上質さを考えれば、納得できる価格差といえます。
予算を抑えてレクサスブランドを体験したいならNX、装備や質感にこだわるならRXを選びましょう。